慢性炎症という言葉を聞いたことはありますか?
慢性炎症とは、体が本来「異物や損傷を治すため」に起こす炎症反応が、長期間にわたって持続してしまう状態を言います。
通常、炎症はケガや感染症に対して一時的に起こり、回復とともに収まっていきます。
しかし慢性炎症では、そのスイッチが切れず、体内で低レベルの炎症が続くため、細胞や組織にじわじわとダメージを与えてしまいます。
この状態は痛みや発熱などの明確な症状が出にくく、知らず知らずのうちに動脈硬化、糖尿病、アルツハイマー病、がんなどの生活習慣病のリスクを高める原因となります。
主な原因には、加工食品や高糖質・高脂肪食の過剰摂取、喫煙、過度な飲酒、ストレス、運動不足、肥満、睡眠不足などがあり、特に内臓脂肪から分泌される炎症性物質が影響します。
改善のための食事は、「抗炎症食」を意識することが大切です。
まず摂取したいのは、オメガ3脂肪酸を含む食品(サーモン、サバ、イワシ、アマニ油、チアシード)で、これらは炎症性物質の生成を抑えてくれます。
また、ポリフェノールやカロテノイドなど抗酸化成分が豊富な色の濃い野菜や果物(ブロッコリー、ほうれん草、ベリー類、トマト、パプリカ)も有効です。
発酵食品(納豆、ヨーグルト、キムチ)は腸内環境を整え、免疫バランスを改善します。さらに全粒穀物(玄米、オートミール、全粒パン)は血糖値の急上昇を抑え、炎症の誘発を防いでくれます。
逆に避けたいのは、トランス脂肪酸を含むマーガリンや加工菓子、過剰な砂糖、精製穀物、揚げ物、加工肉(ソーセージ、ベーコン)などで、これらは炎症を促進してしまいます。
慢性炎症に効果のある食事メニュー例
・朝食
玄米ごはん+納豆+刻みネギ
→ 発酵食品と食物繊維で腸内環境を整え、免疫バランスを改善。
焼きサバ or サーモン(レモンをかけて)
→ オメガ3脂肪酸で炎症物質の生成を抑える。
ほうれん草とトマトの味噌汁
→ 抗酸化成分+発酵食品の組み合わせ。
・昼食
全粒パンのサンドイッチ(アボカド+鶏むね肉+ベビーリーフ)
→ アボカドの良質な脂と鶏肉の高たんぱくで代謝を維持。
ミネストローネスープ(玉ねぎ・にんじん・セロリ・トマト)
→ 野菜のポリフェノールとビタミンCで抗酸化効果。
オレンジ or ブルーベリー
→ フラボノイドやアントシアニンが炎症を抑える。
・夕食
玄米+納豆 or ぬか漬け
→ 腸内環境改善で慢性炎症の根本対策。
サバの味噌煮
→ オメガ3脂肪酸+発酵味噌のW効果。
ブロッコリーとパプリカの温野菜サラダ(オリーブオイル&レモン)
→ 抗酸化ビタミンA・C・Eが豊富。
きのこ汁(舞茸・しめじ・しいたけ)
→ βグルカンが免疫機能を調整。
・ポイント
1.毎食「野菜+良質な脂+たんぱく質」を意識。
2.発酵食品は1日1〜2品を目安に。
3.彩り豊かな野菜を揃えると、自然と抗酸化成分が網羅できる。
4.炒め物はオリーブオイル、亜麻仁油(加熱NG)、えごま油を活用。
慢性炎症を防ぐには栄養も大切ですが、適切な運動も大事です!
今日からできることやっていきましょう!