将来できれば介護を受けずに元気に過ごしたいと思われる方は多いと思いますが、実際どういった運動やトレーニングをすれば良いのかが分からない人も多いと思います。
今回は筋トレにしぼって介護リスクを下げる理由をお伝えしたいと思います。
まず筋トレ(筋力トレーニング)は、単に筋肉を大きくするための運動ではなく、将来の介護リスクを下げることにも極めて大きな効果があります。介護が必要になる大きな要因のひとつは、加齢による筋力低下や身体機能の衰えです。特に下半身の筋肉量が減少すると、立ち上がりや歩行が難しくなり、転倒や骨折がおきやすくなります。これが寝たきりや長期介護のきっかけになることが多いと言われます。
筋トレを継続することにより、「サルコペニア」と呼ばれる加齢による筋肉量の減少を防ぐ効果が期待できます。筋肉量が維持されれば、日常生活の基本動作(立つ、歩く、階段を上るなど)がスムーズにでき、自立した生活を長く続けることが可能になります。さらに、筋力が保たれると転倒予防にもつながり、骨折や寝たきりのリスクを大幅に減らすことができます。
また筋トレは筋肉だけでなく、骨や関節、神経機能にも良い影響があります。骨は負荷を受けることで強くなるため、筋トレは骨粗鬆症の進行を防ぐことができます。関節周囲の筋肉が鍛えられることで、関節の安定性が増し、変形性関節症の進行を抑える効果も期待できます。さらに筋肉と神経の連携(神経筋機能)が保たれることで、反射的な動きやバランス能力が高まり、転倒の危険を減らすことができます。
加えて、筋トレは全身の代謝を高め、糖尿病や心疾患といった生活習慣病の予防にも効果があります。これらの病気が重症化すると、介護が必要になってくるケースも多いため、筋トレによる病気予防効果はとても大きいです。精神面でも、筋トレはストレス軽減や自信の向上、認知機能の維持に役立ちます。特に高齢期において「自分で体を動かせる」という感覚は、うつや認知症の予防にもつながります。
このように筋トレは、筋力や身体機能を維持するだけでなく、骨や関節、神経、代謝、精神面にまで幅広く好影響が期待できます。その結果として、要介護状態になるリスクを下げ、健康寿命を延ばすことにつながるのです。介護予防の観点からも、若いうちから筋トレを習慣化し、中高年以降も継続することが非常に大切だといえるでしょう。
今日から将来のために貯筋していきましょう。