精神疾患領域における運動療法は、
近年エビデンスが蓄積されています。
筋トレをすると鬱になりにくい。
という表現は少し単純ですが、
実際に運動とメンタルヘルスの関連は報告があります。
臨床での経験
私が病院勤務をしていた頃、
珍しく精神科病棟からのリハビリ処方を受けました。
脳外、整形、呼吸器、心外ではなく、精神科。
処方内容は、
なんでもいいから入院中に運動させてほしい
というものでした。
当時は、廃用予防かなと思いました。
しかし、文献を読み進めると、
精神疾患に対しても運動そのものが
治療的意味を持つことを知りました。
運動の抗うつ作用
1. 神経生物学的効果
セロトニン・ドーパミン・ノルアドレナリンの調整
BDNFの増加 → 神経可塑性の改善
2. 心理社会的効果
自己効力感の向上
行動活性化による抑うつ思考の中断
3. 身体的効果
睡眠の質改善
慢性炎症マーカーの低下
エビデンス
運動は中等度の抗うつ効果を示すと報告されています。
特に中等度強度の有酸素運動と筋力トレーニングは有効性が高い。
WHOも、うつ病の補助療法として運動を推奨。
注意点
すべての症例に即効性があるわけではない。
重度うつでは導入が難しい場合もある。
過度な運動は逆効果となり、
不眠や疲労を助長する可能性がある。
薬物療法や心理療法との併用が基本。
まとめ
筋トレを含めた運動療法は、
精神科領域でも効果が報告されており、
廃用予防だけでなく、症状改善そのものに
効果があるとされています。
今後も、リハビリやヒットネスでも
体だけでなく、心も少しでも豊かになれるよう
アプローチしていきたいです!